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2017.12.12
皆様 毎年恒例
泉鏡花朗読会を開催いたします
鏡花ゆかりの宿“まつさき”大広間にて、
ろうそくの灯りのもと語られる幻想的な鏡花ワールドをお楽しみくださいませ
泉鏡花作 『時雨の姿』
朗読 たんと朗読倶楽部
*朗読会イベントに参加のお客様の宿泊は特別にお安くなっております
ぜひ、お誘い合わせの上ご参加ください
〜『金沢遊びの日』は、金沢の伝統文化を気軽に楽しんで頂くまつさきのイベントです〜
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■参加費
夕食・入浴 7,000円(税別)
お泊り 13,000円(税別)
(当日ご宿泊のお客様は無料入場)
■スケジュール
日時/平成27年1月24日(水)
18時~ 夕食
20時15分〜21時 泉鏡花朗読会
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お問い合わせ・お申込み
■まつさき予約係り 0761-51-3111
■メールでのお申込みはこちらから
『時雨の姿』(しぐれのすがた)
大正13年 (1924) 7月、54歳の作。長患いの母を案ずる「色白な七、八歳なる男の児」畑雪次郎と、かんかん糖売りの「十ーか二ぐらいの、目のばっちりした女の子」との心の通い合いを描いた作品。(新編 泉鏡花集第2巻所収)
あらすじ
時は師走。雪次郎は、学校帰りに、秋の末から長患いしている母を案じて那谷寺の鬼子母神へ願掛けに日参していた。ある時雨の日、いつものようにお詣りをすませ、家路を急ぐ途中、足駄の前鼻緒を切らしてしまう。そこへ通りかかった、歳は十一、二の娘。雪次郎は、鼻緒がきれたのは母の病の忌むべき兆と思い、しくしく泣き出した。雪次郎の涙の意味を合点した娘は「鼻緒も直れば、ご病気も治ります」と、前掛けの紐をきって直し始めた。
身の上を話しながら打ち仰いで雪次郎をみる娘の瞳の美しさ。その瞳を見て、五日前の時雨の夜、母に頼まれて買ったかんかん糖売りの娘、その子だと気付いた。その時、凄まじい音を立てて一陣の霰が二人を襲った。と、さっと空を遮って蛇の目傘で二人を蔽った美しい女がいた。芸子のお雪である。
そこへお雪と相思相愛の次郎八も現れて、自分は近くの空き屋敷の屋根の下でお雪を待ちながら、雪次郎と娘の話を聞いて泣いていたという。そして、自分たちの足駄と傘まで持たして帰そうと言い出す。
大人の足駄で相合傘で嬉しそうに帰る二人を見送って、「さあ、約束の一本松へ」「二人の思いであの松を、夫婦松にして見せようねえ」お雪と次郎八は春日山の頂の一本松へ向かう。
〈春日山の一本松〉
鏡花によって描かれた古い金沢には、そこここに目印になるような大樹があり、それらの多くは物語を伴っていた。春日山の一本松。『時雨の姿』では、この松は新地の芸子お雪と型附職人次郎八が心中の場として選んだ目標地点である。(泉鏡花集第2巻解説より)